こんにちは。商いの価値を再定義し伝える専門家、三浦事ム所の三浦路夫です。
小売店にとって、商品を選ぶことは、お客様にどんな暮らしを提案するかを決めることでもあります。
流行を楽しんでほしいのか。長く手入れして使ってほしいのか。忙しい毎日の負担を減らしたいのか。その意思によって、仕入れる商品も、価格の考え方も変わります。
ところが、「良いものを厳選しています」という言葉だけでは、何を良いと考える店なのかが伝わりません。ブランドの核になるのは、その選定を支える価値観です。
仕入れる理由と、仕入れない理由
例えば、「暮らしの道具を、長く使う楽しさを届けたい」という店なら、丈夫さに加え、修理のしやすさや、使い込んだときの変化も選ぶ基準になります。
人気の商品でも、その考えに合わなければ扱わない判断が生まれます。何を並べるかと同じくらい、何を並べないかにも店の意思が表れます。
ただし、店主の好みを貫くだけでは、顧客にとっての価値は確かめられません。購入後にどう使われているか。何が喜ばれ、どこで困っているか。その声を通じて、提案したい暮らしが実際に届いているかを見直します。
スタッフと共有したいのも、商品の特徴に加えて、なぜこの店が扱うのかという理由です。理解があれば、お客様の使い方に合わせて勧めることも、別の商品を提案することもできます。
商品の入れ替わりがあっても、選定の思想が一貫していれば、「この店が選ぶものなら相談してみたい」という関係を育てられます。
小売店のブランドは、一つひとつの商品を貫く、暮らしへの提案から生まれます。
その提案を仕入れ、売り場、接客で体現することが、商品単体の魅力を超えた店の価値になります。
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