こんにちは。商いの価値を再定義し伝える専門家、三浦事ム所の三浦路夫です。

理念を説明した。朝礼でも繰り返した。それでも、社員の行動が変わらない。伝える側としては、何が足りないのかと考え込んでしまいますね。

こういうとき、私は質問を変えてみたいと思います。

「会社の理念を理解していますか」ではなく、「この考え方を守ろうとすると、仕事のどこで困りますか」。

例えば「お客様にじっくり向き合う」という方針がある会社で、社員から「話を聞いていると、次の予約に間に合いません」と返ってきたらどうでしょう。理念の意味がわからないのではなく、予約の入れ方と両立していないのかもしれません。

その社員に説明を重ねても、使える時間は増えません。どの相談に時間が必要なのか、予約の間隔を変えられるかを考える必要があります。

社長の判断が、言葉の意味を教えている

社員が見ているのは、掲げられた理念だけではありません。社長が忙しいときに何を優先するか、損をしてでも何を守るかも見ています。

丁寧な相談を大切にすると言いながら、社長が件数だけを褒めていたら、社員はそちらを会社の本音と受け取るかもしれません。

ですから、経営者自身の判断についても、理由を伝えてほしいのです。「今回は売上になるけれど、この納期では十分に確認できないから引き受けない」。そんな説明が一つあると、理念が具体的になります。

もちろん、いつも迷いなく決められるわけではありません。「この二つで迷ったが、今回はこう考えた」と話して構いません。判断の過程を見せることで、社員も自分の迷いを持ち込めます。

次に理念の話をするときは、説明する時間を少し短くして、実行しにくい場面を一つ聞いてみてください。返ってきた困りごとに会社がどう応じるか。その対応もまた、社員へ理念を伝えています。

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